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「薔薇の屋敷」の霊廟にて。

幾百の夜と昼を越え、吸血鬼の女王「カーミラ」は眠る。

カルンシュタイン一族の者たちに護られながら……

嵐吹く、早秋の晩。

広大な薔薇園に囲まれたカルンシュタイン家の邸宅では、人間たちと《夜の貴族》と呼ばれる吸血鬼たちによる酒宴が催されていた。

薔薇の屋敷の女主人であり、一族の血を継ぐ最後の一人でもあるダンテ・カルンシュタインは告げる

「百年の永き眠りの果て、カーミラがカルンシュタイン家に無事帰還しました。今宵は彼女が目醒めてより、調度十二ヶ月の月日が経ったことを祝う宴です……」

盃と笑みを交わし合いながら、皆がカーミラを盗み見る。

其の真白き肌、緋色の唇、蜘蛛糸の如き艶やかな御髪……此の国のはじまりから、永き眠りと僅かな覚醒を繰り返し、“血”の力を以って《夜の貴族》たちと人間たちに恩恵を齎し続ける魔性の女王の姿を。

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慾望渦巻く闇夜に雷鳴が轟き、運命が扉を叩く。

血の臭いを纏ったローランと名乗る旅人が屋敷を訪れ、カーミラの失われた過去たちが亡霊めいて踊りだす。

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病弱な現当主は、次のカルンシュタイン家当主の座を誰に譲ろうと云うのか。次なるカーミラの伴侶の座は誰の手に渡るのか。

此の地に生ける者たちを統べる力を手にするのは人間か、はたまた《夜の貴族》か……？！

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薔薇の屋敷を舞台に、吸血鬼の女王「カーミラ」の伴侶の座を巡って繰り広げられる血の輪舞！

吸血鬼と人間の運命が交錯する、世紀末的絢爛退廃浪漫譚！

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